わかりやすく統合失調症を解説します | 統合失調症チェックナビ

統合失調症は脳内の変調やストレスなどが発症の引き金となります

統合失調症の原因は脳にあります

 

病気を引き起こすいくつかの要因

統合失調症の根本的な原因はまだ解明されていませんが、一つの原因に起因するのではなく、いくつかのリスク要因が重なって発症すると考えられています。現在考えられている原因としてはヽ脳の生物学的な要因、心理的な要囚、遺伝的な要因、環境的な要囚などがあります。

 

 

脳の生物学的な要因

脳内では、情報をやりとりするために、多くの「神経伝達物質」が分泌されていますが、その中のドーパミンの失調が、統合失調症の発疱に深くかかわっているとされます。ドーパミンは、注意、意欲、感情、学習、運動調節といった人回の大切な機能をつかさどる物質で、その過剰な分泌、あるいは機能低下が、統合失調症の陽性症状や陰性症状を引き起こすと考えられています。

 

また、統合失調症の患者さんの脳について調べた研究では、前頭葉や側頭葉などの部位、また海馬や扁桃体という部位に萎縮か見られること前頭葉の機能が低下していることなどが報告されています。

 

前頭葉は、思考や創造性にかかわる脳の最高中枢で、意欲や、情動に基づく記憶、実行機能などをつかさどっています。また、側頭葉は、聴覚、嗅覚、情緒、感情などにかかわる部分で、言語、記憶などにも関係しています。側頭葉に問題が起こると、記憶障害などを引き起こします。海馬には記憶全体をつかさどる働きがあり、扁桃体には、攻撃反応や恐怖反応、あるいは情動的な記憶といった、もっとも原始的な活動をつかさどる働きがあります。

 

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心理的な要因

病気になりやすい本人の弱さやもろさ(これを陥弱性といいます)があり、そこへ、心理的、社会的、身体的ストレスかどが加わることで発症しやすくなるといわれます。

 

この弱さやもろさは、もともと皆伝的に病気になりやすい体質である場合や、母親の胎内にいたとき脳に何らかの障害(ウイルス感染や分娩時外傷、栄養障害等)を受けた場合などに生じやすいとされます。

 

ストレスに対する弱さ(ストレス脆弱性)はだれにでもありますが、統合失調症の人は、ストレスに対して過剰に(過敏に)反応する傾向が見られ、それが発症のリスク因子の一つになるとされています。

 

また、ストレスは、病気の再発にも大きな影響をあたえることがわかっています。

 

 

遺伝的な要因

統合失調症は、いわゆる「遺伝病」ではありませんこれまでの研究では、患者さんの約9割は両親が統合失調症ではなく、おいやめいなどの3親等まで調べてみても、約63%までは遺伝的要因は
ないと報告されています。

 

ただ、父母のいずれかが統合失調症の場合、その子どもの発病率は10%前後、両親とも統合失調症の場合は48%程度で、一般の発病率(0.7〜1.0%)より高くなっています。いずれにしても、統合失調症の発症には、遺伝的な要囚はある程度かかわっていますが、限定的なものです。

 

 

環境的な要因

もともとストレスに対する脆弱性を持っている人が、ストレスの多い環境や、進学や就職、結婚・出産といった重大なライフイベントなどで大きなストレスがかかったとき、それが発症の引き金(きっかけ)になることがあります。

 

発症の引き金となる環境的な要因には、そのほか次のようなものがあります。ただし、「感染症」「冬期出生」「都市部での生育」については、研究報告はありますが、まだ十分に確定したわけではありません。

 

違法薬物やアルコールなど

大麻や覚醒剤、アルコール、タバコなどの乱用が、精神症状に悪影響をおよぼすという指摘があります。

 

感染症

感染症で関係があるとされているのはインフルエンザと風疹です。ある年のインフルエンザの患者数と、その年に生まれた子どもが統合失調症になる割合には正の相関が見られるとの研究報告があります。風疹はさらに危険性が高いといわれます。妊娠中に風疹にかかった場合、その子どもが統合失調症になる危険率は、正常な人の10〜20倍という報告があります。

 

冬期出生

北半球の29カ国を調べた研究では、冬から春にかけて生まれた人のほうが、ほかの季節に生まれた人よりも発症率が高いと報告されています。同様の報告は日本からも出ています。理由ははっきりしませんが、冬にはインフルエンザやカゼのウイルスが流行することと、日照時間の低下が発症に関係しているのではないかともいわれています。

 

都市部での生育

1990年代にデンマークで行われた大規模な調査研究によると、コペンハーゲン(首都)で生まれた人は、地方都市生まれの人にくらべて、統合失調症の発症率が2.5倍も高かったと報告されています。
ほかの調査でも、農村から地方の町、地方都市、首都郊外首都へと人口が多くなるほど、その発症率が高まる傾向が見られましたなぜ都市部での発症率が高いのかは不明ですが、ストレスが関係しているという説もあります。

 

ただし、精神疾患の中で、都市部に住むと発症しやすくなるのは統合失調症だけで、うつ病などほかの精神疾患ではその傾向は見られません。

 

 

 

統合失調症になりやすい「性格」はある?

統合失調症の人には、一定の性格傾向(病前性格)があることが知られています。たとえば、内気でおとなしく、控えめ、神経質なところがあるかと思えばむとんちゃく、自己主張が苦手で傷つきやすい、といった性格です。

 

人とまじわるのが苦手で、一人でいることを好む傾向もしばしば見られます。もちろん、これらはすべての患者さんにあてはまるわけではありませんが、発症に何らかの影響をあたえているのではないかと考えられます。

 


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