わかりやすく統合失調症を解説します | 統合失調症チェックナビ

統合失調症は病気への偏見や誤解が患者さんを苦しめます

統合失調症で怒りを隠せない人たち

 

治療の中断などが病状を悪化させる原因です

統合失調症という病気には、「他人に危害を加えるおそれのある危険な病気」「人格の荒廃に至る特殊な病気」といった偏見や誤解があります。確かに、わずかですが、統合失調症の人が法に触れる行為をすることがあるのは事実です。

 

しかし、そうした犯罪は、未治療、ないしは適切な治療を受けていなかったか、あるいは勝手に服薬を中断した患者さんが犯したケースがほとんどで、きちんと治療を受けていれば、犯罪を犯すまでに症状が悪化することはありません。

 

また、統合失調症の患者さんが危害を加えるのは、実は他人よりも自分自身に対して危害を加える(自傷)割合のほうが、はるかに高いというデータがあります。統合失調症の患者さんの40〜50%が自殺を試み、そのうちの約10%が死亡しているという報告もあります。

 

 

さらに、程度の軽い暴力や暴言は、他人より家族などに向けられることが多いとされます。これは、背景に、家族に自分の思いが伝わらないことへの不満やあせりがあるからだと思われます。

 

 

相手にケガを負わせるような深刻な暴力は、多くが治療(服薬)の中断や再発などによる症状の悪化が原因で起こります。また、麻薬などの薬物やアルコールが関係していると暴力的になる可能性は高くなります

 

ただし、くり返しますが、医師の指示通りにきちんと薬を飮んでいれば、このような深刻な暴力にまで発展することはありません。ほとんどの統合失調症の患者さんは、おとなしく、むしろひきこもりがちで、暴力的な行為とは無縁です。

 

病気への偏見や誤解は、統合失調症の患者さんをかえって追い詰めることになるので、病気への正しい理解が必要です。

 

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病気になっても人格がかわるわけではありません

統合失調症の旧称である「精神分裂病」という名前は、精神が分裂すると書くことから、二重人格や多重人格を想像させ、人格を否定する響きを持ちます。

 

しかし、統合失調症は決してそのような病気ではありません。統合失調症は、その名前のように、脳の「さまざまな機能をまとめ上げる力」が一時的に失われる病気です。

 

そのために、思考や行動に一貫性やまとまりがなくなったり、現実に即した判断ができにくぐなったりしますが、それはあくまでも病気のせいであり、その人の人格がかわったり、その人らしさが失われてしまったりするわけではありません。

 

また、統合失調症は決して「不治の病」ではなく、適切な治療を受ければ十分に回復する病気です。患者さんにとって、病気の部分はその人の全体の一部でしかありません。ほかの病気と同様、病気の部分がきちんと治療されれば、再びその人らしさが戻ってくるのです。

 

 

 

統合失調症の「暴力」に関して知っておきたいこと
  • 全体的な犯罪発生率の中で、統合失調症の患者さんによる犯罪が占める割合は決して高くない
  • 適切な治療によって、暴力を振るう危険性はいちじるしく低下する
  • 深刻な暴力は、ほとんどが治療の中断や再発などによる症状の悪化が原因で起こる
  • 違法薬物(危険ドラッグ)やアルコール摂取時に暴力性が高まることがある
  • 統合失調症の患者さんによる暴力は、実際は、他人より自分自身に向けられる(自慯)ケースのほうが多い
  • 程度の軽い暴力や暴言は、家族や親族など、身近な人に向けられることが多い
  • 統合失調症の患者さんが性的な犯罪を犯す可能性は非常に低い。

 


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