わかりやすく統合失調症を解説します | 統合失調症チェックナビ

統合失調症の発症のサインとは

統合失調症の症状が出た男性

 

統合失調症は、ある日突然発症するわけではなく、しばしば病気がはじまる前の「サイン(前兆)」のような症状が見られます。

 

ただ、専門家ではないので、その症状の原因が何であるのかよくわからないことが多く、そのために患者さんも家族も、「どうもふっうと様子が違う」とは思っていても、それが統合失調症のはじまりとは気づかないことが少なくありません。

 

また、統合失調症の症状は実にさまざまであり、その症状の多様性が早期発見をむずかしくしています。

 

さらに、統合失調症の患者さんの多くは、自分が「病気」にかかっているという自覚(病識)がないことが多く、そのことも早期治療をさまたげる要因となっています。

 

統合失調症のはじまりのサインとして知られているのは、次のようなものです。

 

不眠

統合失調症の患者さんが、もっとも多く発病の初期に訴える症状は「不眠」です。頭の中が混乱してまとまらず、そのため安心して眠れなくなるのです。

 

症状が進んで、統合失調症の特徴的な症状である幻覚や妄想があらわれるようになっても、不眠は持続します。

 

漠然とした不安感や違和感

日常が不気味で不安に満ちたものに変化したように感じちれ、違和感や猜疑心がふくらんでいきます。

 

心身の不調

あせり(焦燥感)や緊張感などが強くなり、また、頭痛や胃痛、動悸、吐き気など、体の不調(身体感覚の変化)も見られます。

 

参学業成績の不振や仕事の能率の低下

不眠、心身の不調、意欲の低下、認知機能障害などの影響で、しだいに学業の成績がふるわなくなったり、仕事でミスや失敗が多くなったりします。また、それを挽回しようとする意欲も見られ
ません。

 

妄想

妄想の多くは「被害妄想」です。ただし、だれが「加害者」かはあいまいなことが多く、「だれかに見張られている」「尾行されている」「盗聴されている」「自分のうわさをされている」「自分のことが放送され
ている」といった内容のものが多いようです。

 

「自分は天皇の子孫である」「キリストの再来である」といった誇大的な妄想もあります。また、「脳が腐りている」「不治の病にかかっている」「腸がとけている」などという体に関する妄想が見られることもあります。

 

幻覚(幻聴)

幻覚とは、現実にはないのに、実際にあるように感じることです。

 

幻覚の中でも、特に多いのが「幻聴」です。物理的には聞こえるはずのない「声」が、自分を非難したり、何かをしろと命令したりします。

 

幻聴と会話をすることもあり、ブツブツと独り言(独語)をいったりします。幻聴から被害妄想が生じることもあります。

 

家族などまわりの人は、二人でいるときにブツブツとわけのわからないことをいう」「警戒的になって外をうかがう」「電話が盗聴されているなどと訴える」といった症状が患者さんに見られたら、統合失調症
を疑う必要があります。

 

ひきこもり

被害妄想や幻覚(幻聴)などがあるために、しだいにひきこもりがちになります。窓を閉めて昼間から部屋を暗くしたり、電話やパソコンを分解するなど、奇異な行動をとることもあります。

 

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激しい症状が見られない統合失調症も多い

統合失調症というと、激しい興奮状態があらわれる病気と思っている人も少なくないようですが、実際には激しい症状が起きない患者さんのほうが多く、ひどい妄想から暴れて自分や他人を傷つけるような例は、実はあまり見られません。

 

それだけに、ひきこもりや妄想などの病気のサインが見られても、それだけで病院にまで行こうとするケースは少なく、結果的に治療が遅れ症状の悪化につながってしまうことも少なくありません。

 

 

統合失調症も早期発見‥早期治療が大切です

どんな病気でも、発症を予防すること(一次予防)や、たとえ発症しても早期発見・早期治療(二次予防)が大切ですが、統合失調症の場合はこれまであまり「予防」に目が向けられることはありませんでした。その理由としては、

 

  • 医学的な研究が不十分で、防ぐべき「病気の危険因子(リスク因子)」が明確になっていない。
  • そもそも統合失調症は「予防は無理」という根強い先入観がある。
  • 予防に不可欠な、関係者(精神科医、援助スタッフ、疫学担当者、自助グループや家族会など)の協力体制が確立されていない。

 

といった点があげられます。こうした理由で、「統合失調症の予防」の重要性が認識されてこなかったのです。しかし、近年、「精神病の未治療期間」(病気を発症してから治療開始までの時間)についての研究が進み、さまざまな調査データが発表されるようになってきています。

 

その結果、明らかになったのは、次のようなことです。

 

  • 統合失調症は、ほかの病気とくらべても(同じ精神疾患の中でも)、治療をしないままでいる未治療期間が非常に長く、平均で30週(7カ月半)から114週(2年以上)の間にある。
  • 未治療期間の長短は、その後の精神状態や社会への適応と関連することが認められる。

 

一般に、未治療期間が短ければ短いほど予後(その後の病気の経過)がよいとされ、逆に未治療期間が器いほど症状が重症化、慢性化するといわれています。

 

海外の調査では、統合失調症の未治療期間が1年未満の患者群と1年以上の患者群とを、2年後の再発率で比較した場合、未治療期間が1年未満のほうが再発率が低いという結果が出ています。

 

また、そのほかの調査でも、未治療期間が1年未満の患者さんのほうが、明らかにその後の経過がよいことがわかっています。

 

統合失調症も、早期発見・早期治療が大切です。早く治療をはじめれば、症状の悪化が防げ、社会復帰もしやすくなります。

 

統合失調症は、治療をしなければ、発病してから「最初の5年間」で障害が急速に進みます。そうならないように、まわりの人が「どうも様子がおかしい」と気づいたら、そのまま放置しておかずに、できるだけ早く専門の精神科医に相談することが大切です。

 

 

 

統合失調症のはじまりの症状

統合失調症は、本格的に発症する前に、「前兆」のような症状が見られることがあります。家族など周囲の人は、早期の治療につなげるためにも、以下のような患者さんの「微妙な変化」に早く気づくことが大切です。ただし、統合失調症の症状のあらわれ方には個人差があり、例外も多いことを知っておく必要があります。

 

本人が感じていること

  • 頭の中で考えをまとめて、話したり、書いたりすることがうまくできない
  • 現実感がない
  • 自分が自分という感じがしない
  • 気分が落ち込む、無気力になる
  • 何もする気になれない
  • 何となく不安だ
  • 焦燥感がある
  • 物音や光に敏感になる
  • だれかに見張られている、尾行されている、盗聴されている、自分のうわさをされている、などの被害妄想がある
  • 身体感覚の変化(めまい、動悸、痛み、うずき、頭痛、胃痛、吐き気、体がうまく動かせないなど)

 

生活面や行動面での変化

  • 夜、目が覚めて眠れない(不眠)
  • ものごとに集中できない、注意力が散漫になる、落ち着きがない
  • 理由もなく仕事(学校)を休むようになる
  • 仕事がうまくいかない(学校の成績が下がる)
  • 部屋が乱雑になる、身だしなみに気をつかわなくなる
  • 何もしないで、長い間ぼんやりしている
  • 外に出たがらず、自分の部屋にひきこもっている(自閉傾向がある)
  • 独り言をいったり、独り笑いをするなど、奇妙な行動が見られる
  • ぎこちない姿勢のまま、長時間じっとしていることがある

 

感情の起伏が激しい

  • その場にそぐわない感情表現をしてしまう
  • 突然怒りっぽくなったり、乱暴になる
  • 激しい緊張状態になったり、感情が過度に不安定になる
  • ささいなことでカッとなり、激しく動きまわる

 

対人関係がうまくいかない

  • 人とのつきあいに関心がなくなり、一人でいることを好む
  • 精神的に傷つきやすくなり、人とうちとけられず、友人が減る
  • 他人をこわがる
  • 会話があちこちに飛んで脱線したり、支離滅裂こなり、会話が通じなくなる

 


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