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統合失調症の認知機能障害は社会復帰に大きな影響を及ぼします

認知機能障害の男性

 

早くからあらわれる「認知機能障害」

認知機能障害は、陽性症状や陰性症状とともに、統合失調症の中核的な症状です。

 

認知機能とは、人間がものを認識(知覚)するための知的な機能や能力のことで、記憶力、判断力、集中力、実行力、計画能力、統合能力、問題解決能力などが含まれます。

 

健康な人は、無意識のうちにこれらの認知機能を働かせていますが、統合失調症になると、この機能が低下します。

 

認知機能障害は、陰性症状と同じく、脳の前頭葉の機能低下であると考えられています。そのため、陰性症状とよく似た次のような症状(変化)があらわれます。

 

 

記憶力が低下する

記憶力が低下すると、新しい仕事のやり方を覚えることがむずかしくなったり、作業の途中で、どこまで終了したかわからなくなったりします。

 

特に、後者を「ワーキングメモリー(作業記憶)」といい、このワーキングメモリーが低下すると、何をしようとしていたのか、どこまで計算していたのか忘れてしまったり、話をしている相手のいっていることや読んでいる本の内容などが頭に入らなくなったりします。

 

記憶力の低下は、一気に進むわけではなく、徐々に感じることなので、なかなか自分では気がつかないことも少なくありません。

 

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注意力が低下する

注意には、「選択的注意」と「持続的注意」があります。選択的注意とは、周囲のさまざまな情報や刺激に対して、必要なものだけに注意を集中することです。これが困難になると、たとえば会話中に、周囲の動きや物音などに気をとられて、話に集中できなくなります。持続的注意に問題があると、注意が散りやすくなり、不注意になります。

 

 

比較照合ができなくなる

ある情報(刺激)に対して、過去の記憶の情報と照合して適切な判断をすることができなくなります。たとえば、Aさんが持っているカメラと同じものをBさんが持っているという理由だけで、BさんをAさんと思い込むようなことが起こります。

 

また、こまかなことにこだわって全体が把握できなかったり、言葉にかくされた意味や比喩などを理解することができなくなるといったことも起こります。

 

このほか、認知機能が低下すると、次のような変化も見られます。

 

  • 実行機能の低下 … 計画を立てたり、仕事を効率よく進めることがむずかしくなります。
  • 統合能力の低下 … さまざまな情報に対し、類似点と相違点を区別してものごとをグループに分けて概念化することがむずかしくなります。そのため、過去の類似の体験に基づいた対応ができません。たとえば、箱は積み上げ、衣類はダンスにしまうといった整理整頓ができなかったり、手順よく料理ができないといったことが起こります。また、全体像がつかみにくくなったり、逆にこまかなことにこだわりがちになります。

 

認知機能障害は、しばしば、陽性症状があらわれる前からはじまり、また、陰性症状が改善したあとも持続することが多く、病気の予後、特に将来の社会的・職業的機能の回復に大きな影響をおよぼします。認知機能障害は、統合失調症の最大の問題であるととらえる医師もいます。

 

認知機能の低下には個人差がありますので、どの認知機能が低下しているのかを理解した上で、早く適切なリハビリテーションや訓練を受けることが大切です。

 

なお、認知機能の低下は、概して発症年齢の高い人のほうが小さいといわれています。

 


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