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統合失調症の陰性症状には感情の平板化や意欲の減退があらわれます

統合失調症の陰性症状で引きこもってしまった男性

 

慢性期にあらわれやすい「陰性症状」

統合失調症になるとさまざまな症状があらわれますが、大きくは、急性期に活発に見られる幻覚や妄想などの「陽性症状」と、陽性症状がおさまったあとの慢性期に多く見られる「陰性症状」とに分けることができます。

 

陰性症状の「陰性」とは、本来あるはずのものがないという意味で、症状としては、「感情の平板化」「意欲の減退」「集中力・持続力の低下」「社会適応の障害(社会的ひきこもり)」などがあります。

 

陰性症状は、精神的エネルギーが低下した状態といえます。

 

なお、陰性症状は、脳の前頭葉の機能低下が原因と考えられています

 

陰性症状としては、次のようなものがあります。

 

  • 感情の平板化(感情鈍麻) … 感情の起伏がなくなり、喜怒哀楽の表現がうまくできなくなります。表情の変化も乏しくなり、口数も減ってきます。
  • 意欲の減退 … 意欲や気力が低下し、まわりのことに興味や関心を示さなくなります。職場(学校)も休みがちになり、1日中家の中で特に何もしないで過ごしていたりします。整理整頓、入浴や洗面、身だしなみなど、身のまわりのことにむとんちゃくになります。
  • 自主性・自立性の低下 … 人からいわれたことはできますが、自分自身で行動することがむずかしくなります。
  • 集中力・持続力の低下 … 根気や集中力がなくなり、同時に2つ以上のことをすることが困難になり、疲れやすさを訴えます。
  • 社会適応の障害(社会的ひきこもり) … 他人とのかかわりを避け、自分の部屋にひきこもったり、1日の大半をぼんやり座り込んで過ごす「無為・自閉」の状態になったりします。その結果、社会性が低下します。

 

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社会復帰のためには陰性症状の改善が重要です

こうした陰性症状が長くつづくと、日常生活や社会生活を送る上での障害(生活障害)が残り、「生きづらく」なります。治療のあとに陰性症状だけが残ることも多いので、社会復帰のためには、この症状の改善が非常に重要です。

 

また、陰性症状はなかなか症状として認知されづらく、「怠けている」「努力が足りない」などと見られてしまいがちですので、家族などまわりの人は「症状」だということを理解する必要があります。

 

ただし、陰性症状は、うつ病などほかの病気で見られる症状と区別が困難なため、この症状だけで統合失調症と診断することはできません。

 

なお、陰性症状は多く慢性期に見られますが、「前駆期」が長いケースなどでは、陽性症状と陰性症状が混在する場合もあります。

 

 

 

精神病後うつ状態とは
統合失調症では、急性期の激しい症状がおさまったあと、まるで精神的エネルギーが枯渇したように無包力になることがあります。これを「精神病後うつ状態」「精神病後抑うつ」といいます。いわば、激しい症状がつづいたあとの「揺り戻し」の状能といえます。

 

症状としては、抑うつ気分、意欲の減退などがあげられ、一見、陰性症状と似ていますが、多くは数週間から数カ月で回復します。

 

ただ、この精神病後うつ状態では、希死念慮(死にたいという思い)が生じることがあるので、注意が必要です。

 

急性期のあとに起こるうつ状態については、激しい症状を抑えるために用いた抗精神病薬の影響の可能性を考える医師もいます。

 

 


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