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統合失調症では専門医とよい信頼関係を築くのが大切です

統合失調症の専門医と看護師の笑顔

 

まずは何科を受診すればよいでしょうか

統合失調症の診断や治療を行うのは、主に「精神科」や「神経科」です。

 

精神科と似たような名前の「神経内科」は、脳の器質的な病気(パーキンソン病や脳梗塞など)を扱う科ですので、まちがわないようにしましょう。

 

また、「心療内科」は、精神的要因がおよぼす体の病気を「内科的に」治療するところで、どちらかといえば心身症など身体面の症状が強いものが中心ですので、統合失調症の診察には慣れていない場合があります。

 

どこの病院に行けばいいかわからないときは、市区町村の保健センター、保健所、各都道府県の精神保健福祉センターといった公的な機関に相談する方法もあります。

 

これらの機関には大抵「精神保健相談窓口」が設けられており、保健師、精神保健福祉士(精神保健相談員)、精神科医などから専門的なアドバイスが受けられます。電話相談もできますが、面接のほうがゆっくり相談に乗ってもらえます。

 

面接は、できれば本人も同席したほうがよいのですが、家族だけで行う場合には、本人に、面接を受けることや、アドバイスされた内容についてきちんと話すことが大切です。本人に内緒で行うと、あとで家族に対する不信感を強めることになりかねません。

 

 

また、相談した内容を本人に伝える場合には、本人に正しく理解してもらうためにも、一種の「技術」が必要となりますので、面接のときに相談員からその対処法についても十分にアドバイスをうけるようにして下さい。

 

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医療機関を探すポイント

医療機関を紹介してもらう際には以下のような点について確認しましょう。

 

  • 設備 … 常勤の医師数/入院施設の有無(ベッド数)など
  • 治療プログラム … ディケアの有無/精神科救急医療システム(夜間休日の精神科救急など)に参加しているか/精神保健福祉士など専門家の相談を受けられるか/訪問看護は受けられるか/往診は可能かなど
  • 治療状況 … 1日の外来患者数/平均入院期間/1年間の入退院者数/長期入院の人数など

 

そのほか、通院しやすいかどうか、本人や家族が望んでいる適切な治療が受けられるかどうかについても確認することが必要です。

 

特に、統合失調症の治療には、家族の役割が大きいので、患者さんだけでなく、家族にとっても、距離、交通機関など、通いやすい医療機関かどうかは重要なポイントです。

 

また、同じ「精神科」を名のっていても、うつ病の患者さんがほとんどというところもありますので、注意が必要です。

 

ただし、公的機関でも、以上のようなことをすべて把握しているとは限りません。可能であれば、紹介された医療機関を事前に見学して、自分の目で確認することが望ましいでしょう。その際は、さきほどの確認事項のほかに、次のような点についても確かめましょう。

 

  • 待合室などが明るく開放的な雰囲気かどうか。また、通院している患者さんや家族など、人の出入りが活発かどうか。
  • 受付の対応、医療スタッフの印象がよいかどうか。
  • 精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士などの専門スタッフが充実しているかどうか。リハビリの設備がととのい、内容が充実しているかどうか。
  • 病室が、プライバシーヘの配慮など、落ち着いて治療を受けられる構造になっているかどうか(病棟の内部まで見せてくれる医療機関は信用できる)。

 

 

よい専門医の条件とはなんでしょうか?

治療にあたって、もっとも重要なことは、いうまでもなく、病気を適切に診断・治療してくれる医師(精神科医)を探すことです。

 

ただし、最初の印象が悪いからと次々に医師をかえることは、治療の面でも問題です。適切な転医ができないと、プラスよりマイナスの面のほうが大きくなる場合もあります。

 

最初から理想的な医師を見つけることは簡単ではありません。また、「よい医師」は人気があるので、なかなかみてもらえないという問題もあります。

 

「よい医師」を見つけるというよりも、患者さんが「利用しやすい」医療機関を探し、医師との良好なコミュニケーションを、お互いに努力しながらつくっていくという発想が必要かもしれません。

 

そうはいっても、どうしても主治医が信頼できないようであれば、医師(病院)をかえることも選択肢として考えてみてもよいでしょう。

 

どのような医師が患者さんにとって「よい医師」なのか、次にポイントをあげてみます。

 

よく話を聞いてくれるかどうか

患者さんや家族が疑問に思っていることや感じていることを、よく聞いてくれる先生は信頼できる医師です。もちろん、ただ話を聞いてくれるだけでなく、疑問や質問に、わかりやすく、適切に答えてくれる経験豊富な医師がベストです。

 

治療方針、薬の副作用、今後の見通しなどを説明してくれるかどうか

患者さんや家族は、病気が治るのかどうか、どういう治療法があるのか、今後どういうふうに進行していくのか、といったことをいちばん知りたいと思っています。そういう不安や疑問にきちんと答えてくれる先生は誠実な医師です。また、リハビリなど、療養生活の注意点などを具体的に指導してくれるかどうかもポイントです。

 

信頼関係が築けるかどうか

統合失調症は、適切に治療すれば十分に回復する病気ですが、再発しやすい病気でもあり、治療はどうしても「長期戦」となります。

 

長期間にわたる治療を支えるのは、何よりも医師と患者さんとの信頼関係ですそういう意味で、医師との「相性」は重要なポイントとなります。

 

特に「心の病気」の場合、医師と患者さんとの問に信頼関係があるかどうかは、治療効果を左右するほど重要な要素となります。

 

どんなに薬の知識が豊富な吠師でも、治療法についてきちんと説明してくれなかったり、患者さんや家族が、その医師の前では緊張して思っていることが十分にいえないようでは、よい治療は望めません。

 

 

統合失調症をみてくれる病院や診療科

 

一般病院

かつて「総合病院」と呼ばれていた病院を含む。内科、外科、脳神経外科など、さまざまな診療科が設けられている。ただし、一般病院のうち、精神科医がいる病院は半数以下です。

 

精神科の入院設備をととのえているところも少なく、設備があったとしてもベッド数が少ないため、入院が必要になったときに、すぐに対応できるとは限りません。

 

また、待ち時間が長い、診察時間が短い、医師が曜日によってかわる、200床以上の病院は紹介状がなければ特定療養費がかかる、などのデメリットもあります。

 

デイケアなど社会復帰のためのプログラムを併設していないところや、精神科の専門スタッフが勤務していないところもあります。

 

特徴 : 体の病気がある患者さんは、同じ病院で治療が受けられる。ただし、長期の入院生活が必要な重症の患者さんには不向き。

 

 

精神科病院

精神科専門の病院。かつての精神科病院は、「患者さんを社会から隔離・収容する」色合いが強く、閉鎖病棟しかない病院がほとんどで、新しい医療や設備を取り入れる体制もととのっていないところが多かったが、現在の精神科病院は、「治療して社会復帰をめざす」という方向にかわりつつあります。

 

特徴 : 重症患者を治療できる閉鎖病棟や、保護室などの設備がととのい、医師や看護師などの専門スタッフも臨床経験が豊富。

 

 

大学病院

教育と研究の機能を持つ病院です。高名な精神科医が教授をしているところが多いが、必ず担当してもらえるとは限りません。若手の医師は研究や教育にも力を入れており、また、ほかのタイプの病院より異動が多い可能性があります。

 

選ぶ際には、地域医療に力を入れているか、精神科救急やリハビリテーションなどのしくみがあるかなどもポイント。

 

特徴 : 高度な検査技術や最先端の医療設備がととのっている。

 

 

精神科・神経科クリニック(診療所)

ほとんどが外来中心。駅の近くなど便利な場所に多く、気軽にかかることができます。精神科医が一人しかいないところから、複数の医師がいて看護師やケースワーカーなどのスタッフも充実しているところまで経営規模はまちまちdす。

 

診療内容も、ディケアサービス、精神科訪問看護、あるいは精神科医の往診などの有無に差があります。

 

特徴 : 自分の住む地域で、生活のペースを保ちながら通院するには便利。精神科病院より受診しやすく、一人の医師に長くみてもらえるメリットもあります。夜間や土曜日などでも診療を行っているところが多いです。ただし、夜間や休日には連絡がとれないところもあるので、病状が不安定な患者さんには不向きです。

 

 

保健所

国民のいろいろな健康問題に応じてくれる公的な機関です。精神科嘱託医などの医師や保健師かおり、電話相談などで心の病の相談にも乗ってくれます。相談料は無料です。

 

精神保健福祉センター

地域によって呼称が少し違いますが、地域住民の精神的健康を保持促進する公的機関です。心の病に関する電話相談や、地域によっては面接や医師による診察を行っているところもあります。電話相談や面接相談は無料です(診察には費用がかかる場合も)。


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