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統合失調症の治療はリハビリを併用すると再発率が大きく下がることがわかっています

統合失調症の治療方針の会議風景

 

治療には薬物療法とリハビリテーションを組み合わせることが重要です

統合失調症の治療は、外来・入院いずれの場合でも、薬を使った治療が基本となります。

 

ただし、残念ながら、薬物療法だけでは、病気によって障害された認知機能や社会生活機能まで回復させることはできません。

 

 症状をやわらげる薬物療法に加え、生活のしづらさを改善し、社会への適応能力を高めるためのリハビリテーション(心理社会的療法)やSST(生活技能訓練)などを組み合わせながら行うのが、統合失調症の治療では非常に重要です。

 

こうした組み合わせによる1年後の再発率を調べた国際的な研究によると、「薬物療法のみを行ったグループ」の再発率が30%であったのに対し、「薬物療法とリハビリテーションを併用したグループ」、および「薬物療法とSSTを併用したグループ」の再発率は、ともに8%といちじるしく低くなっています。

 

この調査結果を見ても、薬物療法だけでなく、薬物療法とリハビリテーションやSSTなどを組み合わせて治療を行うことで、はじめて高い効果が得られることがわかります。

 

 

治療には多くの専門スタッフの支援と協力が不可欠です

このように、統合失調症の治療は総合的に行う必要があるために、よりよい治療効果を得るには、医師をはじめ、さまざまな専門家が協力し、互いに緊密な連携を取りながら行っていくことが大切です。
医療機関では、医師のほかに、看護師、精神保健福祉上(精神科ソーシヤルワーカー〈PSW〉)、作業療法士(OT)、臨床心理士、薬剤師といった専門職が治療にかかわります。

 

そのほか、地域には、さまざまな分野のスタッフがおり、患者さんや家族の悩みを聞いたり、相談に乗ったり、困ったときは助けてくれます。

 

もちろん、すべての人が一度にかかわるということはありませんが、統合失調症の治療では、こうした多くの人の支援を受けながら行っていきますので、いつ、だれの支援を受ければいいのかということを適切に判断することが必要となります。

 

その意味で、2006年から「障害者自立支援法」が施行され(2013年に「障害者総合支援法」に改正)、市区町村ごとに相談に乗る事業者を指定することが義務づけられましたので、この制度を有効に活用することをおすすめします。

 

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自分で病気に立ち向かう力をつける

多くの人の支援を受けながら治療を行っていくといっても、治療の中心にいるのは、あくまでも患者さん本人です。本人に病気に立ち向かう気持ちがなければ、どんなに支援があっても治療はうまくいきません。

 

また、統合失調症の治療は、最終的には、病気や生活の管理を患者さん自身が自力で行えるようになることが目標です。治療は、できることをふやしていく過程でもあります。

 

家族などまわりの人は、患者さんを保護することと、自立心を育てることのバランスを考えながら治療の援助をする必要があります。ともすると家族は、過保護になって世話を焼きすぎる傾向にありますが、本人ができることにまで手を貸していると、世話をしてもらうことがあたりまえになり、自立をさまたげます。

 

 

統合失調症は、社会技能や生活技能が低下する病気です。自分の身のまわりのことをととのえたり、家のことを手伝ったり、家族と会話をしたりすること、つまり毎日のさまざまな営みが、リハビリとなり、治療につながります。病気が治ってから自立的生活を考えるのではなく、病気の回復過程から自立を目指すという考え方が大切です。

 

 

 

患者さんを支える専門スタッフ
統合失調症の患者さんが暮らす地域にはさまざまな分野の専門スタッフがいます。それぞれが福祉や精神保健のプロで、患者さんや家族の悩みを聞いたり、相談に乗ったり、困ったときには助けてくれます。

 

社会福祉士
専門的な知識を持ち、経験を積んだ「福祉のプロ」です。障害者の日常生活で起こるさまざまな問題の相談、助言、指導、援助を行います。社会福祉士というのは資格名(国家資格)で、働く場所(障害者施設、福祉事務所、社会福祉協議会など)によって相談員やケースワーカーなど、役割はかわってきます。ソーシャルワーカーという呼び方が一般的です。

 

精神保健福祉士(PSW)
社会福祉士は障害者全般のソーシャルワーカーですが、精神保健福祉士は、精神科の患者さんに限定したソーシャルワーカーといえます。社会的に疎外されがちな精神障害者の人権を守り、自
立した生活を営むための援助をします日常生活の中で起こる、年金などの経済的な問題、社会復帰、地域活動などさまざまな事柄の相談、助言、指導、援助を行います。

 

保健師
保健所や精神保健福祉センターには、精神保健福祉の専門家がいます。保健師は、相談、訪問活動やディケアなど、患者さんが在宅生活をつづけるための援助や助言を行います。

 

作業療法士(OT)
病院やディケアなど、さまざまな施設で作業療法の指導にあたります。

 

ケアマネジャー
一人の患者さんに、多くの職種の人がかかわってチームで援助を行う場合、患者さんをいちばんよく知るスタッフがケアマネジャーとなって、患者さんの状況を把握しながら、全体をマネジメントします。精神保健福祉士(PSW)がこの役割をになう場合が多くなっています。

 

障害者職業カウンセラー
障害者職業センターに配置されている専門スタッフです。障害者の職業相談を受け評価をして、その人にいちばん適したリハビリテーションのプログラムをつくります。

 

障害者職業相談員
ハローワークに配置されているスタッフです。障害者が適切な職業を選択するために、また就職後は職場にスムーズに適応できるように援助や指導をします。

 


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