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統合失調症の慢性期では再発を防ぐことも大きな目標です

統合失調症の慢性期で向精神病薬を飲む男性

 

病状からの回復に努める

慢性期は、幻覚や妄想などの激しい陽性症状はおさまっているものの陰性症状や認知機能障害のために「生活のしづらさ」が残ることが多くこの時期の治療法がその後の社会生活に大きく影響するといっても過言ではありません。

 

したがって、この時期の治療は、薬物療法に加えて、心理社会的療法などのリハビリテーションを並行して行いながら、病状からの回復に努めることを主眼とします。

 

 

服薬を勝手にやめると再発しやすくなります

慢性期では、急性期で用いられた抗精神病薬が継続して処方されることが多いのですが、症状の改善にともなって、薬の量を慎重に減らしていくのが一般的です。

 

減量は、それまでの再発の頻度や症状の経過などを見て決めますが、場合によっては半年から1年に1回ということもあります。症状がある程度落ち着いてきたら、維持量を決め、以後は再発予防のために、その維持量を飲みつづけます。

 

症状が落ち着いたからといって、薬を飲むのを勝手にやめてしまうと、1〜2年以内に80〜90%の人が再発するといわれています。また、まったく症状がない状態が1〜5年あった場合でも、薬物治療を中断すると、1〜2年以内に50%以上の人が再発すると報告されています。

 

再発すると、症状が慢性化して改善がむずかしくなるだけでなく、社会で生活する能力が低下する可能性もあります。

 

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統合失調症はきわめて再発しやすい病気だということを十分に認識した上で、決められた量の薬をきちんと飲みつづけることが大切です。もし、副作用などで飲みつづけることがつらいような場合には、必ず医師に相談しましょう。

 

カナダで行われた調査では、「薬を飲むとものごとに集中できなくなる」と回答した人は、薬の飲み方が不規則であった人が38%であったのに対し、きちんと薬を飲んでいる人ではわずかに1%でした。

 

また、「薬を飲むとゾンビのように感じる」と回答したのは、薬の飲み方が不規則であった人が53%であったのに対しきちんと飮んでいる人は9%にとどまりました。

 

これを見ても、いかに薬を決められた通りに飲むことが大切かがわかります。

 

 

慢性期のうつや自殺にも注意しましょう

統合失調症では、急性期の激しい症状がおさまったあと、精神的エネルギーが枯渇したかのように無気力になることがあります。これを「精神病後うつ状態」(精神病後抑うつ)といいます。

 

症状としては、抑うつ気分、意欲の減退などがあげられますが、この精神病後うつ状態では、希死念慮(死にたいという思い)が生じることがあるので、注意が必要です。薬物療法としては、非定型抗精神病薬の投与、抗うつ薬の追加投与などが考えられます。


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