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統合失調症の時期によって薬の種類と量は変わります

統合失調症の向精神病薬のイメージ

 

急性期における薬物治療

急性期の薬物療法は、抗精神病薬などを使って、幻覚や妄想などの激しい陽性症状をできるだけ早く軽減させることを目標とします。

 

この時期の薬物療法は、副作用に注意しながら、必要かつ十分と思われる量を投与することが基本です。

 

また、薬の種類と量は、効果が出るまで比較的ひんぱんに変更されます。

 

 

回復期(安定期)の薬物治療

回復期および安定期(慢性期)の薬物療法は、症状が再燃や再発しないように、寛解状態、あるいは軽快した状態を維持することを目標とします。なお、再燃とは回復するまでの問に症状が悪化すること、再発は一度回復したあとで再び症状が出ることです。

 

寛解状態とは、治療によって症状がある程度おさまっている状態です(ただし、完治とは異なります)。

 

そのため、薬は、患者さんの状態が落ち着いた時点の処方が一定期間継続されます。これを維持療法といい、そのときの薬の量を「維持量」といいます。維持療法を行わないと、1年以内の再発率が65〜80%にも上るのに対して、維持療法を行えば再発率を25%以下に抑えることができるとの調査結果もあります。

 

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抗精神病薬減量法ガイドラインとは

抗精神病薬を、特に大量に長期にわたって使用すると、遅発性ジスキネジアなどの副作用の問題が出てくるほか、強い薬を飲みつづけることによって、患者さんの活動性や社会性が大きく落ちてしまうという問題もあります。

 

統合失調症が軽症化しつつある現在、症状を抑えながら、いかに薬の量を減らしていくかということは大きな課題です。

 

 

そこで、国立精神・神経医療研究センター(独立行政法人)は、2013年に、統合失調症の患者さんへの抗精神病薬の適切な処方を推進するために医師が参考とする「抗精神病薬減量法ガイドライン」を発表しました。その背景には、明確な根拠がないにもかかわらず、日本では統合失調症の入院患者さんに3剤、ないしは4剤以上の薬が投与されているケースが多いという実態があります。

 

同センターを中心に行った臨床調査では、多くの患者さんで、ゆっくりと薬を減らしていくことで、体への負担がなく、安全に減薬していけることがわかりました。

 

減量のポイントは、急に減らすのではなく、患者さんの症状がある程度安定した状態のときに、少しずつ慎重に薬の種類や量を減らしていくことです(たとえば、1カ月に10%ずつ減量するなど)。急に薬をかえたり量を減らしたりすると、症状が逆戻りすることがあるので注意が必要です。

 

また、患者さんの置かれている環境、ストレスの程度、過去の再発の有無などによって、薬の減量がさらにゆっくりになる場合もあります。

 

具体的な減量の方法については、国立精神・神経医療研究センターのホームページを参照してください。

 


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