わかりやすく統合失調症を解説します | 統合失調症チェックナビ

統合失調症は再発を繰り返すと治りにくくなります

統合失調症の患者さん再発している不安な顔

 

統合失調症は再発しやすい病気です

統合失調症の療養生活でもっとも注意しなければならないのは再発です。統合失調症のような精神疾患の場合、治療によって症状がある程度おさまっている状態を「寛解」といいます。

 

寛解は「治癒」ではないので、再発するおそれがあります。寛解は、火山でいえば「休火山」の状態だといえます。服薬を怠ったり、急なストレスがかかったりすると、再び噴火する(再発する)危険性があるのです。

 

統合失調症の場合は、残念ながら再発や再燃(よくなりかけた症状がまたぶり返すこと。再発はいったん回復したあとに再び症状が出てくること)をまったくゼロにすることは非常に困難です。

 

統合失調症は、「ようやく調子がよくなってきたと思ったら、また妄想や幻覚がぶり返してしまった」ということをくり返すほうがずっと多い病気です。

 

注意しなければならないのは、再発をくり返すたびに、症状が慢性化し、治りにくくなることです。また再発をくり返すと、患者さん本人だけでなく家族も自信や希望を失い、療養生活に悪い影響をあたえます。

 

ですから、統合失調症の場合は、再発の防止が非常に大きな課題であることをしっかりと肝に銘じておく必要があります。

 

 

再発の最大の原因は「服薬の中断」です

再発の原因の中でもっとも多いのが、患者さんが勝手に薬を飲むのをやめてしまうことです。NPO法人地域精神保健福祉機構・コンボ(千葉県市川市)の2010年の調査によると、患者さんの約半数が、自己判断で服薬を中断し、また、患者さんの7割以上が1カ月以上服薬を中断したと報告されています。

 

そして、自己判断で服薬を中断した場合、約8割の患者さんが再発を経験しています。この調査結果を見ても、いかに服薬の中断が再発につながるかがわかります。

 

患者さんが服薬を実際に「やめた」、あるいは「やめようと思った」主な理由を次にあげてみます。

 

  • 副作用が気になったから、つらかったから
  • 薬に頼らないで自分で治したいと思ったから
  • 薬を飲むことに納得がいかなかったから
  • 症状が改善し、薬は飲まなくてもよいと思ったから
  • 薬の効果が感じられなかったから
  • 自分が病気だと思っていなかったから
  • 一度に飲む薬の量が多かったから

 

この中で、実際に服薬を中断した人の場合は、「自分が病気だと思っていなかったから」「薬を飲むことに納得がいかなかったから」を理由にあげた割合が高く、一方、服薬をやめようと思ったがやめなかった人の場合は、「副作用がつらいから」「薬の効果が感じられなかったから」「一度に飲む薬の量が多かったから」などと薬剤の効果や副作用を理由としてあげています。

 

【スポンサードリンク】

 

こうした理由は、やめたいと思うきっかけにはなっても、それだけでは服薬の中断には至っておらず、むしろ、病気や服薬の意味に対する理解不足が、実際の服薬中断につながっていることがわかります。

 

また、この調査では、患者さんの服薬継続の理由のトップは、「再発を予防できると思ったから」でした。次に多かったのが「主治医の指示通りに飲まなければ病気はよくならないと思ったから」「薬の効果を実感したから」という回答でした。

 

 

この背景には、症状を抑えるという薬の効果だけではなく、再発を予防するという長期的な効果を理解していること、さらに副作用のつらさよりも、再発を防ぎたいという気持ちのほうが強く、それが服薬の継続につながっているということが示唆されています。

 

 

そして、再発予防への具体的な取り組みとしては、「主治医の指示があるまでは治療を中止しない」「調子の悪いときは主治医や家族など信頼できる人に相談する」「主治医の指示通りに服薬する」をあげた人が多く、再発を防ぐためには、服薬の意味を正しく理解するとともに、主治医をはじめとする周囲とのコミュニケーションが重要であることがわかります。

 

 

「ストレス」も再発の引き金になります

統合失調症を発病したきっかけが、環境の急激な変化や人生の大きな出来事であったような場合、また同じような状況や環境に置かれたときに再発しやすくなります。

 

進学、就職、恋愛、結婚、出産など、人生の大きな節目や、「急に仕事の量がふえた」「配置転換(異動)になった」「リストラされた」「急に引っ越すことになった」などといった予期しない出来事や、大きなエネルギーを要する変化は、精神状態を不安定にし、大きなストレスとなります。

 

くり返し述べているように、もともと統合失調症の患者さんは「変化」に弱い傾向があります。ささいなことでも、新しいことに出合うとせっぱ詰まったり、緊張しやすくなります。特に、本人が意気込みすぎていたり、まわりから過度に期待されているようなときは注意が必要です。

 

ストレスとなるような変化があったときには、まわりは患者さんの精神状態を安定させるように配慮をする必要があります。また、患者さんは、自分はどういうときにストレスを感じやすいかを知っていると、そ
れにそなえることができます。

 

 

再発の原因となる「環境の変化」

 

明らかに望ましくない変化

リストラ、左遷、家庭内の葛藤、親しい人の病気・死など

 

一般的には望ましい変化でも、本人には負担となる変化

進学、就職、昇進、栄転、恋愛、結婚、出産など

 

予期しない出来事

配苣転換(異動)、事故、急な引っ越しなど

 


【スポンサードリンク】